残されたもの

今回の矢口の変、数日経った今でもネットはもちろん、テレビや新聞なんかでも相変わらず話題になっていますね。
ヲタの間でもとらえ方は人それぞれで、また、実際行動に移している人たちの中にもいろいろあって、署名活動の他にも他の企画をしようって考えてる人たちもいるみたいだし、署名活動に対して疑問符を投げかける人たちもいますね。

どれが正解かなんてわかんないし、たぶん正解なんて無いんでしょうね。
矢口も事務所も正解なんてわかってないかもしれないし、一番の正解を選択したくても出来ないのかもしれない。

時間が経っても答えなんて出ないでしょうね。
その後の歴史が証明するなんて幻想ですし。

それでも、今回の件についてそれぞれが何らかの気持ちを吐露する事は必要な作業なんだと思います。「あっ、そう」で済ませられるような事じゃないし。

そんな中で、愁眉というか、気になったのがれいな茶さんのご意見。

>ただひとつ気になったのは、この件に関する娘。以外のヲタの反応。
>娘。以外のヲタのサイトを見てみても、この話題は完全無視だったり、
>応援していこうという意思は全く見られないんですよねぇ…。
>ハロヲタ同士って、いつからこんなにバラバラになったのかなぁって。
>娘。の危機はハロプロ全体の危機だと思います。ハロプロ全体の危機は、
>それぞれのメンバーの危機であるということです。当たり前ですが。

これって、今回の件に限らず、僕もなっちの時から薄々感じていた事です。もちろん、署名活動賛同のHP見ていたら矢口ファンや娘。ファンに限らず他のハロプロファンから賛同を得ている事もわかるんですけど、そう思ってる人も多いんじゃないかなって。

つんく♂モーニング娘。の形がどのように変わろうとも、ハロプロの中心であることには変わりないって本の中ではっきり言ってますよね。
スタッフ側がそう考えていますし、実際にそうだと思うんですよ。
そして、なんだかんだ言っても他のハロプロメンバーモーニング娘。に依存している部分がどこかにある事は認めなくちゃいけないと思います。

そんなこと言ったら右翼(笑)の人たちは怒るかもしれませんけどね、でも実際そうじゃありません?
例え出して悪いけど、「自分は安倍なつみのファンだ」「後藤真希のファンだ」と言ったら、普通の人からは「モー娘。ファンなんだな」「モーヲタなんだな」って思われる方が多いんじゃないですかね?
メロン記念日が好きだ」って言っても、「誰それ?あぁ、モー娘。の仲間か」って言われる可能性の方が高んじゃないですかね?

その呪縛が一番薄いのは松浦亜弥くらいでしょう。
そのあややだってデビュー当時は「モー娘。の妹分」である事をアピールする事によってここまで来たわけですし。

その意味で、ハロプロメンバーである限り、「モーニング娘。の呪縛」からは良い意味でも悪い意味でもそう簡単には逃れられないと思います。

だから逆に、ハロプロメンバーの危機はモーニング娘。の危機でもあるんですけどね。
なっちの件の時には、安倍なつみだけじゃなく、ハロプロそのものやモーニング娘。のブランドにもダメージが波及したんじゃないでしょうか。

ハロプロで右肩上がりなのはBerryz工房くらいしかいないと思いますけど、そのベリ工もあくまで旧来の娘。ファンを取り込んでいる方が多いのであって、新規ファンの獲得数が決して多いと思えません。やっぱりハロプロ所属なんですよ、どこまで行っても。

それにもう一つ。
今回の件でいろいろな意見を読んでいたら、わりとみなさんアップフロントという事務所に対して実は信頼している方が多いんですよね。
もちろん、ヲタに対しては非常に厳しい事務所でして(笑)、その取り立てがどれだけ厳しいかは僕自身も骨身に染みてわかっていますし、やり方が決してお利口とも言えないような事も今回を含めて多々やってきました。しかし少なくとも、所属タレントを大事にしているという一点においては結構信じておられる方が多い。

その点に関しては僕も異存がありません。
言い方悪いけれど、どう見たって赤字でありそうだったり、とっくに切り捨ていられていてもおかしくないようなタレントやハロプロメンバーがいないわけでは無いですもん。
(その義理堅さはアップフロントだけではなく、プロデューサーのつんく♂にも共通していると言えるかもしれません)

しかしそんなアップフロントでも、やはり過去には消えていった人たちがいるわけで。名前は出しませんが。
それは事務所がどうとかではなく、芸能界という生存競争が激しい業界においては当然の事です。
いつ何が起こるかわからない。自分が応援している芸能人がある日突然テレビの画面から、ステージから消えるかもしれない。それはハロプロに限らず、誰でもあり得る事なのです。

そして今回、矢口の身にそれが起こってしまった。(タレント生命そのものが消えたのか、娘。から脱退するだけなのか、ハロプロに本当に残るのかどうか、それはまだわかりませんが)

次は我が身かもしれません。
別に恐怖心を煽るわけではないですが、同じ事務所の、仲間の出来事を、自分の推しメンバーに当てはめてその苦痛を想像してみる事は決して無意味な作業では無いと思います。

結局、ハロプロはどこまで行っても「ALL FOR ONE&ONE FOR ALL!!」で、モーニング娘。の危機はハロプロの危機。ハロプロの危機は各メンバー・ユニットの危機。
だからって娘。のCD買えとかそういう事を言う訳じゃないですが、矢口の事を、モーニング娘。の事を、「推してないから」の一言で片づける事はハロプロファンであればしてはいけないんじゃないかなと思います。

しかし、ヲタがこれだけ悲壮感を漂わせている一方で、当の本人たちは悲しいほど顔を上げて、前を見続けているようです。

土日のライブに参加した人たちはみんなすばらしいコンサートだったとレポっておられます。
彼女たちがその傷ついた羽を休ませる事なく飛び続ける事を選んでいるのだから、せめて我々ファンは応援という名の風となって、彼女たちの力になってあげなければならないんでしょうね。

んなわけで、僕自身は何か新しい動きが無い限り矢口本人に関しては話題にするのはこれまで。言いたい事はみんな言ったつもりですし。
それよりも残されたメンバーの事を考えていきたいと思います。