ハンドルネームの由来

昨日宣言しましたハンドルネームについてですが、結構食いついて下さってるようなのでこっちでも。

その前に「こっち」の説明を。知ってる人は知ってますが、僕ははてなの他にも別サイトを運営しております。というかはてなの方が後からなんですけどね。

ブログってのをやってみたかったのと、身内ネタに走りすぎていたので身内以外に向けて文章を書いてみようかなってのがはてなを始めた理由だったのですが、今はどっちかって言うと、仲間内に読まれると恥ずかしいような事をこっちで堂々と書いているような気がします。ただ、両方に同じ文章を載せてしまう事も多いですね(^^;;;

さて、その本家の方で、さらに以前のcgiで日記を書いていた時代に一推しをなっちから紺ちゃんに変更ということで、転向声明を出した事があります。(実際にはそれよりかなり前から紺ちゃん推しだろと言われてましたが)

転向といえば大げさですが、要するに「なっち専用高機動型アッガイDD紺野仕様」というハンドルネームの説明でした。それが

あらすじ

グラナダの教導大隊に配置転換のため、宇宙にあがることになったナツミ=アベ少佐は愛機の自分用にカスタマイズしたアッガイを手放さざるを得なかった。そこでナツミ少佐は愛機を後輩のアサミ=コンノ少尉(当時)に譲ったのだった。

こちらでした。

で、今回ハンドルネームを変えたということでこの物語の続きを作って本家サイトの方では発表したのですが、せっかくですのでこちらでも書いちゃいます。
駄文ですがよろw



ビリビリッ!!!

「ばかにするのは許さないのだ!!!」
怒りに震えながら、リサ=ニイガキ中尉は紙を引き裂いた。

「偽りの国家が結んだ偽りの休戦協定!栄高あるジオン公国は未だサイド3にあるのだ!連邦に降伏なんてもってのほかなのだ!!!」

叫びながらリサ中尉が破り捨てた紙は連邦軍が空中からばらまいた、「ジオン共和国首相ダルシア・バハロ」名義による、ゲリラ化した元ジオン公国兵士に対する降伏勧告のビラだった。

地球連邦とジオン公国の間で勃発した、いわゆる「一年戦争」は、ア・バオア・クーでのジオン軍の敗北及びギレン・ザビ総帥、そしてジオン突撃機動軍総司令キリシア・ザビ少将の戦死により終結を向かえた。

ジオン公国はザビ家の滅亡の混乱に乗じて、ダルシア・バハロ首相ら穏健派が権力を掌握、ジオン共和国を立国した上で地球連邦とグラナダ条約が結ばれたのは宇宙世紀0080、1月1日だった。

しかし、ギレン総帥とキシリア少将の戦死には当初から暗殺されたとの噂がつきまとっていた事もあり、前線の兵士たちの多くが休戦協定に反発、本国の命令に逆らって各地に逃亡した上、ゲリラ化していった。

リサ=ニイガキ中尉もまさにその一人だった。

「リサ中尉、落ち着くのなの」
怒り狂うリサ中尉をなだめながらサユミ=ミチシゲ少尉が部屋に入ってきた。

「サユ少尉!これが落ち着いていられるかなのだ!
 それより少尉はどこ行ってたのだ!」
「まぁまぁ、それより中尉、見てほしいものがあるの」
「見てほしいもの?」
「良いからついてくるのなの」

サユ少尉は強引にリサ中尉の手を引っ張ると、工廠(とは言っても満足な設備を持たない彼女らにとって、ただ単に工具や機械が置いてあるだけのスペースであるが)に連れて行った。

「これは・・・・・・・・・・」

そこにあるものを見てリサ中尉は驚愕した。

「このアッガイは・・・・・・」
「そう、アサミ中尉の愛機なの」
「これをドコで?」
「食料交換のために会った原住民さんに教えてもらって引き取ったの」
「そうか・・・・、こんなところにあったのか・・・・」

アサミ=コンノ中尉。ジャブロー攻略戦で活躍したアサミ中尉も、ジョニー・ライデンら他のほとんどのエースパイロットと同じく、戦争の混乱の中で行方不明になっている。

「こんこん・・・・・・・・・・・」

中尉は人目をはばからずはらはらと涙を流した。

リサ中尉とアサミ中尉は士官学校の同期で、演習でも一緒になる事が多かった。

のんびりとしたアサミ中尉と常に慌てていて落ち着きのないリサ中尉という性格が真逆な二人が仲良くなったのは、赤点ギリギリで入学したアサミ中尉と、好成績を修めるものの、父親が軍高官故にその成績はコネだろうと周りから後ろ指をさされるリサ中尉(もちろんそんな事実は無かったが、そのような噂が囁かれるのは、士官学校一期生主席卒業があのガルマ・ザビだったせいもあるのだろう)というお互いの境遇からだろうか。
リサ中尉とその同室のアイ=タカハシ大尉、アサミ中尉とその同室のマコト=オガワ中尉の4人は卒業後も良き戦友として、ライバルとしてお互いを認め合い、競い合いながら、数々の死線をくぐり抜けていった。

その仲がよいアサミ中尉を、人の良いリサ中尉が一度だけねたんだ事がある。
それが、このMSM-04R-DD、高機動型アッガイDDタイプの事である。

元々、この機体は「ダイヤモンドダスト・ナッチ」こと、ナツミ=アベ少佐のものだった。リサ中尉はそのナツミ少佐に憧れて軍に入った。だから、ナツミ少佐が宇宙に配置転換になる際に、愛機をアサミ中尉が譲ったと聞いた時はさすがにわき上がる嫉妬の気持ちを抑えられなかった。

だが、リサ中尉はその気持ちをアサミ中尉にぶつけるのではなく、自己研鑽に向けたのが良かった。中尉はMSパイロットとしても上官としても大きく成長した。それ故、一年戦争終結し、命惜しさに高官が次々と連邦軍に降伏する中で、サユミ=ミチシゲ少尉ら、信念の下でゲリラ化した兵士たちに慕われ、こうして今地下ゲリラ部隊のナンバー1として無慈悲なる連邦に抵抗を続けているのだ。

「こんなかたちでオマエに会うとはね・・・・」
涙をぬぐった中尉はアッガイをなでた。

「中尉、感傷に浸っているところを申し訳ないですけど・・・・」
「お、おう、申し訳ないのだ」
遠慮がちに声をかけてきたサユミ少尉に笑いで涙を照れ隠しながらリサ中尉は返事した。

「中尉、我が軍は先日の連邦の掃討戦で虎の子のゼロキューを失って、現在モビルスーツといえば壊れかけのゼロロク一機のみです。幸い、アッガイとザクは共通パーツも多いし、このアッガイを改修して兵力としてはどうかと思うの」
「この・・・・アッガイを?」
「はい。元々アッガイといえば偵察機だけど、こいつはあのダイヤモンドダスト・ナッチの愛機だった高機動型。アサミ中尉がジャブロー攻略戦で活躍した事でも有名なの。そのポテンシャルはかなりしれないと思うの。それに、アレを使う良い機会だと思うの」
「アレ?開発部が残していったメグ機関か????」
「はいなの。アサミ中尉はナツミ少佐からこのアッガイを譲り受けたのち、突撃兵器の『アイリーン』を装備させる事で戦績をあげたの。そのアイリーンをメグ機関で強化すれば、まだまだ現役で使えると思うの」
「む、ムチャを言うななのだ!私はアサミ中尉と親友だったのは少尉も知ってるだろう?アサミ中尉がこのじゃじゃ馬を飼い慣らすのにどれだけ苦労したか・・・・」
「それは理由にならないの。アサミ中尉に出来たことをリサ中尉が出来ないと言うのは単なる逃げなの」

士官学校での一つ下の後輩にあたるサユミ=ミチシゲ少尉の常にずけずけとした物の言い方に、普段は苦笑しつつも頼りに思っていたリサ中尉もさすがに今回は言葉に詰まった。

「た、たしかに少尉の言うとおりなのだ。でも、アイリーンはアサミ中尉だからこそ使いこなせた代物だし、ましてやメグ機関は開発部でも制御が難しいと言うことで開発を断念した曰く付きの・・・・」
「大丈夫、ちゃんと対策は考えてあるのなの」
「ど、どういう?」
アッガイは元々偵察及び工作用の機体だから、工作要員が待機するスペースがあるのはリサ中尉も知ってるでしょ?」
「そ、そりゃあまあ・・・・・・」
「そのスペースにこのサユミもアッガイに乗り込んで、アイリーンの制御をサユミが担当すれば良いと思うの」
「な?????ア、アッガイを複座式にすると言うのか?」
「その通りなの。どうせモビルスーツも他に無いんだし、一人で操縦するのも二人で操縦するのも一緒なの」

リサ中尉は考えてもいなかった。一年戦争中、モビルスーツ等兵器の不足以上に連邦もジオンも悩んでいたのが実は兵士の不足だった。だから、一度の撃墜で貴重なパイロットを二人失う複座式など、あまり実用的では無かったのだった。

しかし・・・・

「た、確かに少尉の言うことももっともなのだ・・・・・。しかし・・・・」
「しかしもへっちゃくれも無いのなの!ナツミ少佐もアサミ中尉も戦死したのか今でも生きているのかわからないの。だからこそ、二人のためにもこのアッガイで中尉が戦い続けなきゃダメなの!!!」

リサ中尉ははっとした。

「そうだな、少尉。私が悪かったのだ。そうだ、我々はこのアッガイがあればまだやれるのだ。ジオンの栄光を取り戻すために、出来ることはやらなければならないのだ」

そう答えたリサ中尉の顔に迷いはなかった。




「道重新垣専用複座式高機動型アッガイDD(メグ強化型アイリーン装備)」が一年戦争に勝利し、すっかりゆるみきった連邦軍を恐怖のどん底に落とすのにそれほど時間はかからなかった・・・・・・・・・。