西武の問題で

気に入らない点が2つあります。


一つは、「まるでアマチュアが被害者とでも言いたいような論調」。早稲田の選手の父親もそうですし、「家計が苦しかった」という東京ガス木村の発言に対して「そこにつけ込んだ」という論調、「知らなかった」と激怒している早稲田の監督等々・・・・


受け取る側だってやっぱり悪じゃねえの?
早稲田の監督だって、知らなかったってあんまり信憑性無いし、それが本当だとしても、そこでまず最初に怒るべきは自分の管理している選手であり、自分の監督不行き届きを謝罪するべきじゃないの?


そりゃ確かに、巨人の上原は大リーグ入りを希望していたけれど、読売グループは上原の父親が勤めていた会社の取引先から囲い込んで逆指名のための圧力をかけたという噂があります。それが本当ならたしかにそれはひどいなあと思いますが、分かっていて受け取っているアマチュア関係者だって多いですよね。というかほとんどだと思う。


ちなみに、2004年にヤクルトからお金を受け取っていたということで専大北上の監督が処分を受けています。(最終的には監督をクビになっています)
プロ側にすべての責任を押しつけてないで、自分たちにも問題があるという認識は持たなきゃいけないんじゃないかなあと思います。


なお、この早稲田の選手、高校時代から利益供与を受けていたと報道されていますが、噂ではその専大北上出身らしい。これが意味するところは・・・・・・・・・。





それともう一つ。「ウェーバー制こそがすべての問題を解決する最良の方法」という盲信。さらに突き詰めると「アメリカではウェーバー制が導入されているんだから日本もそうするべきだ」という論調。


なんでアメリカでやっているから正しくて、日本でもやるべきだって論調になるんでしょうねえ?
話が少しそれるけど、アメリカではやってないから日本でも鳴り物は禁止にするべきだって意見にはアホかって言いたくなりますよ。どっちの応援スタイルにも良いところと悪いところがあるわけで、お互いの尊重も無しに、なんでこの21世紀の世の中に野球だけ「アメリカを見習うべき」って風潮が残っているんでしょうねえ?


で、実際アメリカのドラフトを含めたシステムがすべてうまくいっているかって言ったらそうじゃないでしょう。球団がつぶれそうになって一時的に大リーグ機構が管理運営していた球団もあったし、ヤンキースレッドソックスらとアスレチックスなどとの貧富の差は拡大する一方です。やっぱりアメリカのシステムだって問題はあるわけで、その理由の一端にドラフト制度があるんじゃないかなと思うんです。


実際、ウェーバー制の問題を考えた時に、例えば消化試合での敗退行為の可能性は否定できないんじゃないでしょうか。別に無理して選手に無気力試合をやれって言わなくても、2軍レベルのピッチャーに先発させたらそれで負ける事は出来ますもんね。消化試合に未経験な選手を起用することは今でも普通にあることですし。その結果、打ち込まれて負けたとしてもそれが敗退行為だと立証することは不可能でしょう。


また、ウェーバー制にすると、スカウトの負担が増大するという説があります。他球団がどの選手を獲りに行くかわかりにくくなるので、自分たちが希望していた選手が獲得出来なかった時のために調査しなければ選手数、言い換えればドラフト会議の席上で各チームがリストアップしていなければいけない選手数が大幅に増える可能性があるそうです。


ついでに言うと、抽選制の時代に一番被害を被っていたのは実は不人気球団なのかもしれないんですよね。指名された選手が入団拒否ってかなり多かったですし。逆指名制度になってから当たり前だけど入団拒否はかなり減ったわけで、それだけリスクも軽減しているわけです。

もちろん、それらに対するリスクもふまえた上で現在の逆指名制度は問題があるから廃止の方向に向かうべきだし、その対案としてウェーバーは導入する価値があると思います。ただ、そういった問題をまったく考えずに今みたいに何の批判もなく「ウェーバー制を導入すればすべて丸く収まる」みたいなマスコミや各界の空気が腹立つんですよ。


それともう一つ忘れてはいけないのが、何故ドラフトの抽選制が崩れたか。もちろん一部の球団(笑)のエゴが働いたのは大きな理由ですが、かつて、「職業選択の自由に反する」と国会でドラフト制度が問題視された歴史をみんな忘れているんじゃないですかねえ?


一番大事なのは、「プロ野球の世界に入るとはどういうことか」を明確に示すべきだと思うんです。「プロ野球」という一つの大きな会社に入社してその中で部署を振り分けられるのか、各チームがそれぞれ独立した会社なのかによってかなり考え方はかなり変わってきますよね。
それは新人選手の入団方法だけじゃなく、「戦力は均衡するべき」か、「自由競争なのだから貧富・強弱のチーム差が発生するのは仕方ない」といった議論にまで昇華すると思います。
その行き着く先はもちろんFA制度や放送権の管理なども含まれますね。




なんてまあ理想論に近い事を言っているけれどここで私案。穴だらけだけどとりあえず。


基本概念はある程度は戦力均衡を目指すべきかと。やっぱりお互いのチームがあって成り立つ世界ですし。


ドラフトはウェーバー制を導入。ただし、指名順は4位チームから始まって5位、6位チームへ。それから3位、2位、1位チームへ。
最下位チームこそが恩恵を受けるべきという考え方は戦力均衡という言葉を盾にしているけれど結構怠慢だよなと思うんですよ。それに新人選手一人でそんなに無茶苦茶チーム力が変わるとは思えないですし。
なので、今年からセ・リーグでも始まるクライマックスシリーズの導入を前提とするなら、Bクラスのチームはドラフト指名順を一つでも上げるために最後の最後まで気の抜けない戦いを続けなきゃいけない。しかし指名1位を得る4位は、リーグ優勝、その先の日本一の可能性がある3位とたったの1位違い。新人選手一人のために4位でOKというのは割が合わない、そういう狙いを持った指名順として考えました。


続いてFA制度について。ドラフトと連動してFA資格獲得までの期間は5年に短縮。ただし、2回目のFA資格は5年以上、7年か8年くらいは経たないと獲得出来ない。


FA制度って何が問題って、年俸つり上げの道具に成り下がっている事と、移籍引き止めのために高額年俸を球団が支払わなければいけないことなんですよねえ。
そこで思うのは「2回目のFAって必要か?」って事なんですよ。実際、1回目と2回目のFAでそれぞれ違う球団に移籍した選手って工藤しかいないんじゃないですか?ほとんどの選手は2回目の獲得前に高額な複数年契約で残留が決まっています。だいたい、一度好きで選んだ球団なんだからもう動く必要もホントは無いと思うんですよ(人工芝がイヤだからと天然芝の球団を選んだ途端に・・・なかわいそうな選手もいますが(涙))
なので、2回目のFA獲得には1回目よりも時間がかかるようにすることが無駄な年俸高騰を抑える方法になるんじゃないかなと思います。


あと、FA選手にはそれまでの年俸によってランクを作る。例えば年俸1億円以下の選手については獲得球団も補償選手を要求することは出来ない。(金銭は受け取る事が出来る)
これによって、中堅どころで出番の少ない選手に機会を与えつつ、良い選手が獲られる事を警戒して獲得出来ないというリスクを軽減させる。


それ以上のランクの選手については、放出球団に獲得球団からドラフトを含めた恩恵を提供しなければいけない。
それこそMLBNFLなどで導入されているそうですが、ドラフトの指名順を譲らなければいけないっていうのも一つの手だと思うんですね。


あとは当然FAの期間短縮となったのでポスティングは廃止。その上で、MLBに対して、FA宣言してアメリカに行く選手については日本の球団が獲得した時と同様に補償金を払わなければいけないことを認めさす。MLB側にとってもポスティングに何十億かかるよりはトータルではコストダウンになると思うんですよね。


まあ思いつきだけならこんなところかなあ・・・・。もちろん有力選手の大リーグ流出問題とか他にも解決しなきゃいけない問題は多いんですけどね・・・・・。
まああくまで思いつきなんで許してちょうだいw


ただ、重ねて言いたいのはドラフトだけじゃなくてFA等々と含めてトータルで制度として整理しなきゃいけないと言うことで。