タイガース展

昨日は大阪にある大阪歴史博物館に行って参りました。
というのも、現在「阪神タイガース展」なる企画展示をやっているんですよ。

って、阪神ファンの僕だからこの企画展示を見に行った、となると少し違います。
と言いますのも、僕自身博物館の学芸員の資格を持っていて、普段は正確に説明するのは難しいですが歴史関係の仕事をしていますし、博物館そのものでもアルバイトをしているんですよね。

いわば「同業者」なわけで(とは言っても僕は若造中の若造ですし、プロと名乗るのもおこがましいレベルですが)、阪神ファンという視点よりは博物館関係者的視点から興味を持って見に行ったわけです。

2年ほど前に京都国立博物館スターウォーズの特別展をやった時も僕の界隈では大きな衝撃をみなさん受けておられました。この不景気の世の中で国立の博物館もどんどん独立行政法人化されており、これからは客を呼べる展示をしなければいけないのかなぁなんて憶測が流れつつ、だからってよりによって国立博物館スターウォーズって・・・・・とささやかれていたものです。

そんなわけで、今回も歴史博物館が阪神の展示を行う事にはやはり奇異を感じます。
ただ、大阪歴史博物館というところは僕も何回か行った事がありますが、非常に大阪(大坂)という「町」に注目した展示をしているんですよね。
また、今回の宣伝を電車の吊り広告なんかでよく見かけたのですが、「え?博物館でタイガース!?」というキャッチコピーが書いてあったんです。
だからどういう展示を見せてくれるのか、半分期待して見に行ったのですが・・・・


結果的には普通の展示でしたねぇ(^^;;;
基本的に創生期からのバットやサイン、ユニフォームなどを時代を追って展示しているだけでした。
これじゃあ甲子園のタイガース資料館と変わらないや。規模が大きくなっただけだと思うんですけどねぇ・・・・。

やっぱりね、大阪の町にこだわった歴史の博物館でやる展示であるからには、もっと「阪神タイガース」が戦前から現在に至る大阪や関西の都市の中でどのような「文化」として根付き、民衆に支持され、支えられてきたか、それを明らかにしていく必要があったと思うんです。
(そういう展示がまったくなかったわけではないですけど)

そこまでやってこそ、歴史博物館で「阪神タイガース展」をやる価値があったんじゃないかなぁ。これじゃあ百貨店の催し物会場で展示してもそう変わらないんじゃないかな。

というわけで、僕の視点からは少し残念な展示でした。
ただ、阪神ファンとしては非常に満足がいくものでしたよ。かなり人がごった返していて見るのも一苦労でしたから興行的にも成功なんでしょうねぇ。
来週月曜の9日までなので、阪神ファンならチャンスがあれば是非見に行って欲しいと思います。