大河ドラマから気がつけば駄文長文

http://news.goo.ne.jp/news/gooranking/it/20060122/20060122-grnk.html
面白かったNHK大河ドラマランキング
最も面白かった大河ドラマは「独眼竜政宗
 1963年よりスタートした大河ドラマ。数々の名作を残し続けている。そこでgooでは「面白かった大河ドラマ(80年〜)」についてアンケート調査を実施しました。
 1位は「独眼竜政宗」。主演は今やハリウッドスターとして名高い渡辺謙さん。仙台藩62万石の礎を一代で築いた奥州の戦国武将を描いた作品。平均視聴率39.7%は、大河ドラマの歴代トップを誇っており、最高視聴率47.8%は、第3位の記録でした。
 2位は「新撰組!」。脚本を三谷幸喜さんが担当し、SMAP香取慎吾さんを主役に起用。その他のキャストも山本耕史さんや藤原竜也さんなど、若い人に人気がある俳優を起用することで、若い女性からの支持を集めたようです。 3位は「利家とまつ」。唐沢寿明さん、松嶋菜々子さん、反町隆史さん、竹野内豊さんといった、当時人気絶頂だった俳優を勢ぞろいさせ、放映前から話題になりました。また、松嶋・反町夫妻の結婚後初の共演といったことも話題の的となりました。
 ランキング全体を見ても、近年、若手俳優を多く使った作品が増えてきているようです。いまや大河ドラマは、老若男女の誰もが楽しめるものとなってきているようです。 (gooランキング)

とのことで、やはり「独眼竜政宗」は強いですね。こういうランキングは最近のものほど有利なので、実際に2,3位が最近の作品ということに対して20年近く前の作品が1位ですから、それだけ人気が高いということでしょう。事実、僕もお金に苦労してDVDBOXを購入しましたし。

ただ、第一話で見ることを放棄してしまった「新選組!」はともかく、「利家とまつ」よりも「武田信玄」「太平記」等が下なのはそういう事情を鑑みても納得出来ず・・・w

だいたい、「近年、若手俳優を多く使った作品が増えてきているようです。いまや大河ドラマは、老若男女の誰もが楽しめるものとなってきているようです。」と書いていますが、それ故に中途半端になって誰もが楽しめなくなって視聴率が下落しているのが現在の大河なのですがね(もちろん、テレビの視聴率そのものが落ちている事やBSなどへの分散も考えなければいけませんが)。歴史ドラマ(not時代劇)マニアの友達とは、「手をつかずにあぐらで座り、また手をつかずに立てないヤツは大河に出るな」と言ってるんですが、それを守るだけでもかなり変わって来ると思うんですけどねえ・・・・・・

とりあえず、97年の「毛利元就」を最後に、一年間通して大河ドラマを見続ける事が出来なくなった僕からすればここ10年の大河はいい加減にしてくれという作品の連続です。

んで、今回の「功名が辻」。なんせこの作品のヒット如何が遠回りして自分の仕事や生活に直結してくるので一応見ていますが。正直なんだかね・・・・・・・・orz

信長の舘ひろしを筆頭に俳優が歳を取りすぎていて年寄り臭くなってしまっている事は元より、脚本も元々が司馬遼太郎の作品の中でもつまらない部類に入るのに、大石静がダメダメにしてしまっていますよね。何あの平和主義者の千代は・・・・。ああいうのを戦国時代に言われると、「ウヨク」の皆さんから「平和ぼけ」と攻撃されそうな理想主義・平和主義的思考の持ち主であると自覚している自分ですら萎えてしまいます。

それとこの時代をテーマに大学・大学院の卒論を書き、末端の末端ながらも一応は歴史の業界で飯を食べている人間として、先日も少し触れましたが、未だにNHKが「武功夜話」から抜け出せないのが本当に許せない。

説明しておきますと、「武功夜話」というのは「前野家古文書」とも言い、1959年に愛知県で発見された古文書です。内容は豊臣家家臣の前野長康一族の覚え書きで、前野長康と関係が深かった蜂須賀小六織田信長の寵愛を受けた側室とその一族生駒氏、青年時代の豊臣秀吉らを生き生きと描き、桶狭間の戦いや墨俣一夜城の戦いも克明に記録しているとして話題になりました。

津本陽ら小説家がかなり熱心に取り上げ、NHKも歴史系の番組で何回も持ち上げました。その二つが結びついた結果、大河ドラマにも「武功夜話」によって明らかになった「事実」が設定として随所に盛り込まれる事になりました。

今回の「功名が辻」で言えば、木下藤吉郎蜂須賀小六前野将右衛門(長康)らが一緒にいたこと、明智光秀濃姫斎藤道三の娘で信長の正室)がいとこということなどがあげられます。

有名な墨俣一夜城の秀吉出世譚も今まで否定されていたものが「武功夜話」で事実だったと受け止められているようにもなりました。今週放送分は墨俣城の話が中心でしたし、これも「武功夜話」の影響を大きく受けているのは間違いありません。

で、僕が何故怒っているかというと、その「武功夜話」が完全な偽文書だからです。

この資料、所有者が出版社と組んで活字化して本にしていますが、実物は一切公開されていないんですよ。写真すら見させてもらえない状況(去年、写真の一部のコピーが初めて公開されたらしいけど・・・)で、研究者がいくら言っても実物をなかなか見させてもらえない状況なんです。

で、内容についても相当おかしい。例えば有名な話なのですが、「冨加」という地名が資料の中に出てくるのですが、実はこの地名、明治時代になってから富田村と加治田村が合併した時に「富」と「加」一文字ずつをとってつけた新しい地名なのです。その名前が何故戦国時代に出てくるのかと。

そんな調子で、なんせもう問題点のオンパレード。現在では、少なくとも研究者の間ではみんな後の時代、それも明治時代どころかヘタすれば最近に書かれた偽文書であり、研究に値しない、と結論づけられています。

そんなものが何故未だに問題になってるかというと、一部の郷土史家(大学等で専門教育を受けなかった地元の愛好家)が持ち上げる一方、小説家が題材とし、そしてNHK大河ドラマに使っちゃうから、いつまで経っても行政が信じちゃってるんですよ。

思い出すのは2001年の秋。中澤裕子卒業、そして5期メン加入後初のコンサートツアー「ライブレボリューション秋」の時の事です。

って、何でここでいきなり娘。の話に・・・・って事はスルーしてw

僕は某市であった野外コンに参戦いたしました。実は夏の予定が台風のため順延、秋ツアーに振り返られたものだったのですが、例の紺ちゃん怪我による不参加、今まで唯一のオフィシャルであるIDカードをグッズとして売っていた、ピタクリを前日の大阪で初披露、音源未公開状態なのに何故かヲタは「L・O・V・E〜」を完璧に入れられたという、いろいろとネタの多いライブでした。

そのライブ会場で、今でもおなじみですがグッズやFC案内のちらしを渡されたのですが、その中に地元観光協会のパンフが入っていたんですよ。

それが、「あなたは○○城を知っていますか?」というタイトルで、某戦国武将の生誕地である「○○城」をアピールしようというものでした。

普通、「城」というと姫路城などの瓦葺き・石垣・階層の建物(天守)、というイメージがありますが、そういう城が出現したのは安土城以来であり、それまでは山の中に土を掘って堀を作り、簡易の建物を建てているだけのいわゆる「土城」というものでした。

○○城はこの「土城」に分類されるのですが、地元の観光協会がこのお城をアピールしようと必死になっていたんですね。で、そのパンフの内容は僕が読むと非常に眉唾な記載が多く、個人的に「どうかなあ・・・」と思っていたのですが、その最たるものが問題の「武功夜話」を引用して、このお城はこんなに重要な城だったんだ!とアピールしていたことだったんです。

このライブ、当日は天気が悪かったのですが、娘。が出ている時は奇跡的に雨もやみ、無事に昼夜公演終わったものの、夜公演が終わった途端に土砂降りになるという、ある意味ミラクルな事態となり、おかげで帰りのバスが長蛇の列、そのため家に帰る事が出来なくなり、大垣で一泊したのち、翌日職場に直行する羽目になりました。

元々泊まるつもりもなかったから着替えもなく、職場で前日ぬれた服を干したりしていたのですが、当時の職場ではヲタバレしていたために、上司に速攻で何をしにいっていたのかばれてしまったのですが、この上司というのが城研究の第一人者でして。なので「モー娘。のコンサート会場でこんなの配られていましたよw」と言って例のパンフを見せてみました。

上司も「なんかうさんくさいなあ・・・・」と言って笑っていたのですが、翌年になってからその上司がなんと某市に呼ばれ、○○城の調査をする事になったのです。

で、調査から帰ってきた上司曰く、「○○城というのはまったくの伝承で、あれは城跡でもなんでもなく、ただの自然地形だった」ということでした。人が掘ったと思われる堀跡も実はただの自然に出来た谷だったり、というオチだったのです。
まぁ、何故そういう間違いが発生したかというと話が昭和初期まで遡るわけで、この点は「武功夜話」の問題とは少しずれるのですが、どちらにしても「武功夜話」等を使っての宣伝が的はずれだったことには変わりありません。

その事を上司が某市の担当者に言うと担当者は「地元の市議会議員が会長をしている観光協会がアピールに必死なのにどうしよう」と頭を抱えたそうです。そこで上司は僕の話を思い出し、「うちの若いモンが去年モー娘。のコンサートに行った時にそのチラシをもらってきましたよ」と言い、笑いあったとの話でした。

まあ、ライブで配られるパンフ自体見ずに捨てる人が大部分ですし、その中で歴史に興味があってじっくり読んだ人もそうそうはいないでしょうから実害(笑)は無かったとだろうとその時は上司に言ったものですが、実際にあのパンフの事を覚えている人は・・・・・まあいないだろうなw

って、大河ドラマに始まってなんか変な方向に話が行ってしかも長文のくせにオチが無いという最低の更新すんまへんw(死)