コメントレスなのれす

長文になるかもしれないので新規でw

Tommy-Caさんのおっしゃる通り、盛んに言われている「万世一系」ってのは明治時代に作られた言葉なんですよね。それ以前にはどんなに文献を探しても出てこないです。それに関連すると、僕も伝聞でしか知らないので本当かどうか知りませんが、大宝律令には女帝とその子供も皇族でいられるという規程があるそうで、その中身によっては女系皇族っていうのも当時は制度として認められていたかもしれないです。

そこでsuezoさんのおっしゃる「伝統」って言葉に終着しちゃうんですけど、天皇制ってのが何故維持されているのかなんて誰もわからんのですよ。歴史学者も法学者もみんな何故天皇制が維持されていたか、天皇制が維持されているのか、ずっと考えているんですけれど答は出てないんです。

学者が考えてもわからないのだから、その時代時代の政治家がわかるはずもなく。そこで、例えば織田信長天皇を軽んじていたって一昔前は言われていたんですけれど、最近は天皇権力を利用しようとしていたって説の方が有力です。安土城跡を発掘したら天皇を迎えるためのスペースがあったとかなんとか。

足利義満なんかは自分の子供を天皇にしようとたくらんでいますよね。他にも日明貿易の際の称号の問題とかで、天皇権力は著しく失墜していたとか。まぁ今谷明の本なんて長いこと読んでいないのでそこら辺忘れましたが。

まあ要するに時代によって天皇権力ってのは失墜したり上昇したりするんですよ。それはその時々で天皇制の意味とか役割とか当時の権力者に期待されているものが変わっているわけで。
もちろん、何度も天皇制崩壊の危機に瀕しながらも長らえてきたのは普遍的な意味・価値・機能があったからだって考えもあるんですけど、それが何かは誰もわからない。

それこそが「万世一系じゃないか」って言う人もいると思いますけどね、さっきも書いた通り、「万世一系」なんて明治時代に作られた言葉ですよ。比較的新しい用語であって、伝統なのかどうかは実はむちゃくちゃ後付なんです。
当時の明治新政府っていわばクーデター政権ですからね、支配の正統性が欲しいわけです。そこで利用されたのあ天皇なわけで、天皇権力を高め、天皇が日本を支配する正統性を明確にし、その上で天皇から委任されている自分たちの正統性を主張する必要があったんですよ。
そのために「日本は神武天皇以来天皇によって治められてきた国なんだ」という主張をするために生み出された言葉が「万世一系」なわけですわ。
だから、江戸時代以前に「万世一系」って言葉も無ければ、結果的にそうだっただけで、天皇家万世一系の概念の下に男系を守ろうと必死になったって明確に書かれている史料はありませんです。伏見宮系がどうとか言う人もいるかもしれないけど、「男系を維持するために宮家を創設した」って書かれている史料があるなら見せてくださいです。っていうか見たいです。

んでまあ、敗戦で昭和天皇は自分は人間だって言っちゃうし、憲法で象徴扱いされちゃうしで、それまで天皇家が求められていた意味ってのが否定されちゃったわけですよ。だから昭和天皇今上天皇は「国民に親しまれる皇室」であることによって国民の象徴という天皇としての役割を保持しているんですね。ワイドショーや女性週刊誌で一家が仲むつまじくしている姿を取り上げられる事にも実は重要な仕事なわけです。それなのに国民の現状から大きく乖離した側室を取るなんて選択をしたら、戦後60年かけて築き上げたものは一気に崩れると思います。

ただまあ、実際のところ皇室典範改正は延期の方向に向かっているし、政治家の発言なんか聞いていたら延期して連中を勉強させ直させた方が良いとは思いましたね。自民党の加藤が敬宮愛子が結婚する20年後まで変える必要が無いって言っていましたが、それじゃあ手遅れなんですよ。そのころまでには今の女性皇族の半分以上が結婚して皇室から離れてしまっていますからね。未婚の皇族は愛子と今度生まれる子供の二人だけ、って可能性も高いでしょうね。

まあそんなとこですw