もう一度だけ


愛理写真集レビューの最後をやろうと思いましたがもう一度だけこの問題を。皆さんへのレスを一つ一つしていたら自分の考えもぶれそうなのでこれをもってレスとさせてくださいな。



まず今回の問題を語る上で、ヨソのブログなどで「約束って何だよ!」って声が多数ありますが、それについてはkenkenさん「「約束」という言葉について(蛇足)」というところで書いておられるところが的を射ていると思います。
また、それと同時に自分が前回書きましたが、ヤンタンにおいて暗黙の了解として娘。メンバーの間では決められている事、それをマネージャーからは折に触れて念を押されている事を、藤本美貴本人が言っています。*1


つまり、藤本美貴、ひいては矢口真里の脱退は「男を作った」からではなくて、「男を作ってはならない約束を破った」から、とも考えられます。


ここで、もう一つ考えなきゃいけないのは前述のヤンタンでの藤本美貴本人の発言の中で、中澤裕子ら年上のメンバーは別にかまわないのではないかと言ったことです。*2


これに加えてですが、先日の日刊スポーツの記事が興味深いです。

http://www.nikkansports.com/entertainment/p-et-tp0-20070602-207417.html


 藤本は先月6日に吉沢ひとみ(22)の後を継いでモー娘の新リーダーに就任したばかり。藤本は「約束を破った」と話したが、それは事務所側がタレントの交際を認めないことではない。ただ、同グループは未成年者が多いため、年長者は後輩の手本となる姿勢を示すことが、事務所の内規になっている。そのため、深夜に異性と遊んでいることが、リーダーにはふさわしくないと判断された。関係者によると、2人はロンドンブーツ1号2号の田村淳(33)が主催した合コンで知り合ったが、この点も不利な材料となったようだ。


この手の「関係者によると」というのが果たして正確なソースか怪しいところであり、決して無批判にこの記述を取り入れるわけにはいけないですが、ある程度読み取る事も出来るかと思います。


サンスポにも

http://www.sanspo.com/geino/top/gt200706/gt2007060202.html


 藤本は、ツアー中にもかかわらず夜中に男性宅へ出向くなどの行動について責任を痛感。10人中8人が未成年メンバーのモー娘。にあって、リーダーとして模範とならなければならない立場にありながら、それを裏切ったことへのケジメとして脱退することを自ら決断。事務所も了承した。


と書かれており、「彼氏を作ったからファンを裏切った」のではなく、未成年を含むメンバーに対して示しがつかない行動を取ったからと見る向きが多いようです。*3


これらからは、ヤンタンで言っていた「アイドルなのに彼氏を作る事」に限らず、「夜遊びをしない」「ツアー中は自重する」といった規則が内部にあるのでは、と読み取れます。


ここで一度整理すると、

1,モーニング娘。ハロメン?)は男性と交際してはいけない
2,ある年齢以上の大人メンバーについてはその限りではない
3,ただし、後輩、特に未成年メンバーに対して規範となるような行動が求められ、彼女らへの悪い手本となるような行動はしてはならない


という「約束」があるように推測されます。
ただし、2についてはでは何歳からかがわかりません。例えば、矢口真里藤本美貴は世間的には恋愛をしていても不思議ではない良い大人であります。これは1との絡みで、モーニング娘。にいる間はダメだけど卒業したら良い、というのかもしれません。実際に、松浦亜弥はおとがめ無しでしたから。*4


そうすると、やっぱり3に集約されるのではないかなあとも思います。
もちろん、3は上記2つのスポーツ新聞の記事からの推測であり、これらの記事が果たして本当なのか保証はありません。週刊誌やテレビの芸能コーナーよりは信頼度は高そうですが、だからといって本当と言い切れる事は出来ません。


ただ、現在ハロプロには未成年メンバーが20人以上いる中で、3のような約束があってもおかしくないし、逆にないとそっちの方が問題です。


その限りにおいて、「約束を破ったから責任を取る」という藤本美貴のコメントは、(その責任の取り方の是非はともかく)責任を取らなければいけない状況ではあると考えます。


次に、問題の約束の中身についてですが、前回自分は「悪法も法」と書きました。これは、「悪法も法であり、法である限り守らなければならない」と言っただけであり、決して、藤本美貴の言う「約束」が「悪法」だと言い切ったわけではありません。


ここで、モーニング娘。メンバーが恋愛をして彼氏を作る事のメリットデメリットについて整理してみたいと思います。


・処女性が求められるアイドルのイメージの崩壊
これは昔からのアイドルに与えられた永遠のテーマであり、過去に何十人ものアイドルがこのイメージに縛られ、また苦しめられてきたと思います。
例えばWINKなどは当時二人とも彼氏がいたけれど、世間にばれないために涙ぐましい努力を行っていたと最近になってテレビで告白しています。
それだけ、アイドルにとって異性と交際しているというのは致命的なダメージになりかねないのです。


もちろん、時代錯誤でもあり、今更ファンも世間もわかってるさ、という声もあるかと思います。しかし現実にフライデーの報道にショックを受けたファンも存在するわけで、マイナスはマイナスであると言えましょう。


・恋愛をテーマにした歌手として、人間としての表現力・人間性への昇華
恋愛もしてないような人間が恋愛を歌ってメッセージを他人に伝えようというのはそれはそれで確かにちゃんちゃらおかしい話であす。かつてMUSIXにゲスト出演したANRIが当時の娘。メンバーに対して「良い恋愛をいっぱいしなさい」と言っていましたが、いろんな恋愛をしていろんな経験を積む中で、そのときの心情を歌に乗せていく事は歌手にとって必要不可欠な事だと思います。*5


結局この二つのメリットデメリットのせめぎ合いになるのかな?とも思いますが、モーニング娘。というアイドルグループとして考えたときにはもう一つ大きなデメリットがあります。


・バッシングへの材料提供
これが実はめちゃくちゃ大きいのではないかと思います。


先述の日刊スポーツの記事では合コンで知り合ったことがマイナスになったと書いています。
まあそもそもが合コンすることってそんなに悪い事か?って考えもあるかもしれませんが、そうは言っても世間的には合コンとは男遊びの象徴であり、あまり良いイメージで見られない事が多いのは避けようがない事実です。


実際に、スポーツ新聞以上に信頼性の低い雑誌やテレビの芸能コーナーなどでは、この一週間ですでにあることないこと、というよりないことないことを藤本美貴だけでなく、モーニング娘。ハロプロを含めて書きまくっています。


例えば(自分はバカらしくて読む気も起こらないので正確ではないかもしれませんが)、先週発売の週刊誌では「藤本美貴矢口真里辻希美高橋愛らが合コンしまくっている」「不祥事続きに怒ったベリキューの親らが他事務所への移籍を画策している」などと書いているわけです。


まあはっきり言ってこの手の雑誌類は狼を含めたネットの噂がソースな事が多く、後から嘘だって判明することも多いですし、安倍なつみの件では訂正を書いた事もあります。*6
その点で、信頼性はとてつもなく低く、ファンであるなら鼻で笑っていれば良いのですが、世間にはそれを信じてしまう人もまだまだ多いのが残念ながら現実です。


その意味では、加護亜依辻希美藤本美貴と事件が続く事で、これらのマスコミへの格好のネタ提供になってしまっていますし、彼らがそこから話をふくらませてモーニング娘。ハロプロ全体について悪く書くことに対して、信憑性を持たせる結果になってしまっています。


これはデメリットとしてかなり大きいと言えるでしょう。
その観点から言えば、やはり藤本美貴自分が起こした行動について責任を取る必要があるのではないでしょうか。


さらに、もう一つ藤本美貴の「罪」があります。それは、それこそ世間全般のアイドルに対する応援の暗黙のルールなのかもしれませんが、「見つからなければOK」言い換えれば「見つかったらアウト」ということです。


話が少しそれますが、藤本美貴が出演していた「ヤングタウン土曜日」という番組は、明石家さんまという強烈なキャラクターと関西ローカルという条件から、普段からそうとう突っ込んだ話をしている事で有名です。一番最初に書いた「約束」についての藤本美貴の発言など、他のハロメンのラジオでは絶対に出てこない発言でしょう。


ですので、週刊誌に載ってからのここ2回(5月26日、6月2日)、かなり突っ込んだ話になっていますが、その中で明石家さんまが怒っているのは「交際が発覚したこと」ではなくて、「交際が発覚するような行動を取った事」です。


複線として、その前の放送(5月19日)が辻希美妊娠騒動を経て最初の放送*7の時に「オマエ等も気を付けろよ」とさんざん発言しています。


なので、5月26日放送分では一番最初に「オレの一番嫌いな言葉は『矢先』や」と言って、あれだけ言った矢先に、と藤本美貴が写真を撮られた事を非難しています。*8


また、昨日放送分でも写真を撮られないように何故工夫をしなかったのかと怒っています。決して、アイドルなのに恋愛をしたからと怒っているのではなくて、油断してそれを撮られた事を怒っているわけです。


結局それが結論なんだろうなあと思いますね。大人の女性が恋愛するなとは言えないですが、見つかったらマスコミにあることないこと書かれるに決まっている。それもイメージが悪くなるように。さらにはグループとしての一蓮托生で他メンバーの事も含めて。


だったら、やっぱり交際しないのが一番手っ取り早い。撮られる事が無いのだから。
もし交際するなら撮られないように気を付けるしかない。


それでもやっぱり撮られた時はそれ相応のペナルティを受けるのは仕方ない。しかも、未成年を多く抱えるグループにおいて、彼女らに示しがつかないような行動していたとなれば尚更避けられない。


今回の藤本美貴、ひいては矢口真里の件について突き詰めると自分はこういう結論に達します。


なお、ここからは多少余談含みで。


一つは脱退という結論は果たして正解なのか。
ペナルティという観点で言えばやっぱりどうかなあという気は自分でもします。藤本美貴という人を中心に考えたら、本人にとってはむしろ得したんじゃないかと見る向きもありますしねえ。少なくとも矢口真里と同じ事をした地点で矢口真里への処分が今回何の抑止力にもならなかったという点では前回の処分は失敗だったし、今回が正解とは言えないかもしれません。


また、報道によって開いた傷口を自らの手でさらに大きくしているんですよねえ。もっと穏便に済ませて、この話題がフェードアウトするような仕方もあるでしょうに。
ただこればっかりは我々は所詮門外漢であり、見えないところでいろいろあっての結論なのかもしれないからなんとも言えない点が多いと思います。
せめて、これ以上ダメージが大きくならず、傷がふさがってさらに丈夫になるようにと祈るだけです。


それともう一つ。自分が書いてきた中で、「グループだから」というのが何カ所かありました。
モーニング娘。だから、ハロプロだからこれだけの大事になり、処分になったのであり、普通のタレントだったらスルーでも何の問題も無かったかもしれません。


でもね、それを言ったら仕方ないですよ。藤本美貴ハロプロメンバーとしてデビューしたんだし、モーニング娘。のメンバーだったんだから。


今、日本の芸能界で女性アイドルグループってハロプロ以外でどれだけいるかって話ですよ。ラブマ以降、「ポストモーニング娘。」を目指していくつもの女性アイドルグループが生まれましたけど、結局みんな消えていきましたしね。


アイドルという枠を取っ払っても、これだけ長く続いているグループってやっぱり少ないですよ。


藤本美貴がdreamのオーディションを受けていたのは有名な話ですが、もしもdreamに受かっていたら今頃どうなっていたか。
倖田來未がいるじゃないか」って言う人もいるかもしれませんけどね、avexなんて倖田來未一人を生み出すために何人消えていったかって話ですよ。


やっぱりハロプロモーニング娘。だからここまでやれたんだし、だったらそのグループ内の掟に従わなければいけないのは仕方ないと思いますね。




まあ長くなったけどこんなところで。


明日は帰りが遅くて無理だろうから明後日に写真集レビューの最終回やります。

*1:ホントは何年何月何日の放送か示せれば良いのですがさすがにそこまではわからないです。申し訳ない

*2:自分の記憶が確かなら、メインパーソナリティー明石家さんまが「中澤なんかええ歳やし別にかまへんやろ」というような主旨を言った事に対する返事だったと記憶しています

*3:矢口の時もツアー中であり、たしか大阪のライブが終わってから深夜に東京に帰ってから撮られたのであり、それが問題になってたんじゃなかったかなと記憶しています

*4:あくまで表面的であり、内部で何かペナルティがあったかもしれませんが

*5:ちなみに愛理が2月の単独コンで「サヨナラのLOVE SONG」を歌った時に、「うまいなあ」とは思いましたが、それと同時に「やっぱりまだ子供にはこれが精一杯の解釈なのかなあ」と思ったのは事実です

*6:しかし訂正記事といっても明確なお詫びもなく、そもそもとても小さい記事であんなのが訂正記事になるのかと思いますが

*7:正確には妊娠発覚後最初の放送は5月12日ですが、この時はさんまがアメリカに行くのでその前の週に収録した分であり、発覚後最初に収録して放送したのは5月19日放送分です

*8:矢口真里の時もたしか松浦亜弥の件の直後でしたよね